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乳歯の健康が永久歯に与える影響

乳歯は生え変わるので、むし歯になってもかまわないと思われがちですが、実はお子さまの乳歯の健康は永久歯に大きく影響します。
乳歯のむし歯が進行すると根管神経まで達し、むし歯菌は乳歯の根の外へ進んでいきます。そこにはまだ成長段階の永久歯の芽があり、むし歯の細菌による侵食が進むと永久歯の色や形に影響が及ぶことがあります。
また、むし歯により乳歯が早く抜けてしまうと、後から生えてくる永久歯が正しい位置に並ばず、歯並びにも影響します。歯並びが悪くなると磨き残しが多くなるため、永久歯もむし歯になる可能性が高まります。
さらに、乳歯のむし歯は噛み合わせのバランスを崩し、幼児期の顎や顔の発育にも悪影響を与えることがあります。乳歯のむし歯はきちんと治療し、むし歯にならないよう予防に努めることが大切です。
当院の虫歯予防メニュー
正しいブラッシング指導
歯の本数や生え替わりの状態など、お子さまのお口の状態に合わせた正しいブラッシング方法を指導します。患者さんのお口に合った歯ブラシの選択、歯ブラシの当て方や動かし方、適切なブラッシング圧なども説明します。また、保護者の方への仕上げ磨きの方法もお伝えします。
フッ素塗布
フッ素の効果
- 歯の再石灰化を促す
- 歯の表面の歯質を強化する
- 虫歯の原因となる細菌の働きを弱める
フッ素は魚介類やお茶などの食品に含まれる自然界に存在する物質で、乳歯が生え始める生後6ヶ月頃から塗布することができます。適切な使用であれば過剰摂取の心配はありません。
当院では乳幼児から15歳までのお子さまの虫歯予防としてフッ素塗布を行っています。特に、成人の歯と比べて歯質が弱く十分な厚みと硬さのない、生えたばかりの乳歯や生え替わったばかりの永久歯はむし歯になりやすいため、フッ素による歯質強化が効果的です。
フッ素による虫歯予防を行う際は、必ず虫歯の原因となるプラークを除去してから行う必要があるため、定期的な歯科検診とフッ素塗布をおすすめします。
シーラント
シーラントは、永久歯に生え変わったばかりの奥歯が虫歯にならないよう、フッ素成分が配合された白い歯科用樹脂素材「レジン」を奥歯の溝に埋める予防処置です。
永久歯に生え変わったばかりの奥歯の特徴
- 歯質が弱い
- 奥歯の溝が深くて複雑
- 成長途中で背丈が低い
これらの理由から歯ブラシが届きにくく、汚れを落としにくいため虫歯になりやすい状態です。シーラントによって奥歯の溝に食べカスや汚れが入り込むのを防ぎ、さらにフッ素の働きで歯質も強化されます。
シーラントの素材は虫歯治療の「詰め物」と同じ素材なので、体に害はありません。ただし、施術時に一定時間お口を大きく開ける必要があるため、お子さまの協力が必要です。当院では、どうしてもシーラント処置が難しい場合、まずは定期的なフッ素塗布を行い、お子さまが慣れてきたところでシーラント処置を始めます。
子どもの虫歯治療の特徴

大人と子どもの虫歯治療に大きな違いはありませんが、虫歯が表面だけの場合は歯を削らずに石灰化が期待できます。しかし、虫歯が深部まで進行している場合は切削や抜歯が必要になることがあります。
当院では、治療に対するお子さまの不安や緊張を和らげるため、まずは「歯医者さんに慣れてもらう」ところから始めます。お子さまが自分からお口を開いてくれるまで焦らずに待ち、治療の過程をわかりやすく丁寧に説明することで、恐怖心を軽減します。
早期の虫歯予防の重要な理由
子どもの虫歯は進行が早く、痛みが出にくいため、気づいたときには手遅れになることもあります。まだ永久歯がしっかり生えていない段階で虫歯になった乳歯を抜いてしまうと、このような問題が生じる可能性があります。
- 周囲の歯が移動して歯並びが悪くなる
- 噛み合わせや顎の発育に影響が出る
- 変色した永久歯が生えてくる
- 永久歯が埋まったまま生えてこない
また、子どものうちに虫歯になると、お口の中の虫歯菌の数が多くなり、新しく生えてくる永久歯も虫歯になりやすくなります。
大切なお子さまのお口の健康を守るためには、日頃から虫歯予防を心がけることが大切です。当院では、お子さまが大人になったときにお口の問題で悩まないよう、虫歯の早期発見と予防処置に力を入れています。定期的な歯科検診で虫歯を早期発見し、適切な予防処置を行うことで、お子さまの大切な歯を守りましょう。